アトピー性皮膚炎と思春期の肌の悩みを解決する方法
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アトピー性皮膚炎は、軽度なものから重度なものまであり、その症状には幅があります。
そして、症状には見た目のインパクトもあり、どうしても周りの目を気にするあまり、患部を服で隠してしまったり、
外出を控えるようになってしまったりと、内側へと気持ちが向かってしまうと思います。
そうなると、精神面でのストレスが蓄積されてしまい、状態を悪化へとすすめてしまいます。
この病気の改善には、重度なら入院からの治療や食事管理となっていきますが、
軽度の場合、薬を最小限に抑え、ストレスを溜めないための強い精神力をいかに保てるかにかかってきます。
実は、アトピーというのは、心の状態が、ダイレクトに皮膚への症状としてあらわれてしまいます。
時には些細な言葉が、自分自身の目線を内側に向けるきっかけとなってしまうので、周りの協力も大切なことになりますが、
長い目で治療を考えるなら、他人からの言葉の受け止め方に自分が変化をあたえていかないと、スタートラインに立つこともできません。
心の揺れ幅が、そのまま症状の揺れ幅へとつながることを理解するのが、治療を開始するはじめの一歩になります。
目次
学校生活のなかで、アトピー性皮膚炎とうまく付き合う方法
学校生活のなかでは、体育や水泳、行事など自分の肌を他の人の目にさらすことが多くあります。
一番他人からの目を気にする年齢だと思います。
特に思春期の頃は、病気症状以上の負担として、心へのストレスが蓄積されているはずです。
友人からの心無い言葉が、よりストレスを重ねさせ、学校に行きたくないなぁと思ってしまったり、
時には、「イジメられているのではないか!?」と錯覚してしまう事もあるのではないでしょうか?
でも、絶対に心だけは、強くあってください。
一度、ネガティブに物事をとらえてしまうと、すべてにおいて消極的になってしまいます。
心無い言葉を打ち消すくらいの力で、正論を突き付けるのもいいかもしれません。
「人が悩んでる病気に対して、失礼だと思わないのか!?」というように、
モラルのなさに対し、反論することも可能だと思います。
友人関係に関して、いろいろな対処方法はあるでしょうが、
いずれしても、自身の心のあり方として、気持ちを前向きにさせることです。
そうすことによって、症状の改善につながっていくのです。
悲惨な体育の授業を乗り越える方法
アトピーの人にとって、水泳などはプールにいれられている塩素系の薬剤が大敵ですし、
無理をしてはいることで痒みを発生させてしまうので、患部の状態により先生との相談を必ずしてください。
体を洗い流すことで、ダメージは最小限にはできますが、自分の意思をはっきりと伝える癖をつけてください。
それが、自分を守る手段の1つです。
プール以外の運動も悩ます問題だと思いますが、この時もしっかり相談してください。
アトピー性皮膚炎でない人にとっては、説明してもらわないと理解できないのです。
おそらく、運動による汗と、筋肉が温まることで血流がよくなり、痒みと赤みを併発すると思います。
これが、時間の経過で掻き毟るなどの行為に発展し、出血や汁、そこからの感染へとなることもありますよね。
軽度の症状であれば、こまめな休憩をはさみ、汗の処理を徹底することで回避できるかもしれませんが、
邪魔臭がらずに、着替えなどは常時ストックしておき、患部を清潔な状態を保つように心がけてください。
精神的なストレスを溜めないのとつながってくるのですが、
こうした普段のケアが症状改善に向かうので、手を抜かないようにすることです。
長い学生生活のなかで、この病気と戦っていくのは大変だと思います。
なので、アトピーのことはできるだけ隠そうとせず、周りの理解を求め、協力してもらうような環境を自ら作っていきましょう。
悪化させないための夏の過ごし方
夏場は、汗で体が蒸れてくるので、この病気にとって、もっとも神経をつかう時期だと思います。
顔ならこまめな洗顔、体もこまめな着替えと汗の処理を確実にしてください。
下着など、直接肌に触れるものはとても重要ですよ。
素材としては、ナイロン系は避け、綿の素材のものを着用し、出てきた汗を肌にとどまらせず吸収させてしまうようにすれば、
症状を悪化させずにいられることがあります。
また、夜など気温が高い場合、就寝中に無意識にかきむしり、出血や汁がでることがあるので、
できる限り薄手の綿の手袋などを着用して、肌に爪があたることは極力避けるようにすることもいいでしょう。
もちろん、爪をこまめに切り、もしものダメージを抑えることも忘れずに。。。
どうしても、痒みなどがひどく、かいてしまわないように薬での痒みを抑えるのもいいのですが、
海水浴などで海水に浸かるのもおススメです。
はじめは、滲みるなどの違和感を感じますが、数回繰り返すことで痒みと赤みが徐々にひいていきます。
反対に控えておいた方がいいのが、入浴後の汗を抑える入浴剤です。
この病気を悪化させる原因にもなりますので、使用しないほうがいいでしょう。
肌を見られることへの抵抗はあると思いますが、夏場は半袖や短パンなどの肌を出す形での通気性をよくし、シャワーなどで患部を清潔に保つのが基本です。
大変な時期ですが、細かい点を注意すれば、悪化を抑え年間を通して肌の状態を保つことができます。
脱ステロイドが改善への道
ステロイドは、強さのレベルもありますが、即効性は期待できます。
ただ、即効性がある分、リバウンドをおこすことがあります。
もし、どうしても使用する場合、症状の度合いにもよりますが、
はじめの数日は塗るステロイドと飲むステロイドで外側からと内側からと短期間の使用にとどめ、
その後は軟膏などで保湿を心がけてください。
乾燥は、再度痒みをうむ原因となるので、軟膏での保湿は重要になります。
脱ステロイドといっても、短期間の集中的に使うことは悪くありません。
ステロイドのみで抑えるだけをせず、体に蓄積するステロイドを抜く期間をつくり、軟膏へシフトすることです。
脱ステロイドとは、短期集中とその後のステロイドを抜く期間をつくること、
それだけに頼らずルールを決めての使用を心がけることがポイントです。
普段の生活のなかで守りたいこと
夜更かしなど、睡眠不足は悪化の原因の一つとなります。
そのため、睡眠時間はしっかりとること、汗の元となる寝る前の水分を取り過ぎないことも重要です。
食事の面でも、大変ですが油の摂取を極力ひかえ、刺激物などの香辛料を避けることも大切です。
コーヒーなども摂取を控える候補ですので気をつけてください。
また、入浴の際、湯船に長時間浸かることは避け、あがる際に軽くシャワーで流すなど体の温度を調整することも効果を期待できます。
血流がよくなることで、痒みが増大し、就寝後の掻き毟るなどの危険性があるのでぬるま湯での短時間とあがる前のシャワーを心がけてください。
ストレスなど、心理的な負担も悪化をまねく要因となるので、適度な運動やストレス軽減にも気をつけてください。
この、日常生活でのストレスとどう向き合うかは、上に書いたことの効果を増大させるポイントとなります。
病院選びのポイント
皮膚科の診察、特にこの病気の診察には時間がかかります。
先生にもよりますが、こまめに症状の写真を撮り、視覚的な記録でステロイドの効果を確認されます。
脱ステロイドの考えを持っておられることは基本ですが、その使用期間とどのくらいの強さのレベルからスタートされるかなど、
ステロイドの使用に関して先生の考えを確認することが重要です。
できればセカンドオピニオンという形で、ほかの皮膚科での診察をし、
長く付き合う病気であり先生ですので、自分でも情報を集め、納得いく皮膚科を選んでください。
また、食事の面での詳しい知識を持っておられる先生なら、
日常生活での注意点など総合的に相談できるので、その辺りの確認もしっかりしてください。
薬の種類一つで、もっとも左右される病気ですから、慎重に自分を任せられる病院と先生を探してください。
アトピー性皮膚炎をコンプレックスに思うあなたへ
周りの目を気にするあまり、行動範囲を狭めてしまい、外の世界の楽しさよりも症状の方に目がいってしまいます。
この病気は、外側と内側からのストレスがあって、その両方に強い気持ちで立ち向かう必要があります。
傷跡は将来トラウマとして心のなかに残るかもしれません。
でも、この病気に打ち勝つには、外側からの治療と内側からの気持ちがそろうことが完治することへの近道です。
心へのストレスの蓄積から、徐々に症状の悪化はすすんでいきます。
そうなると、どうしても薬に頼るようになってしまいます。
一時的には緩和されますが、ストレスの軽減がないかぎり時間の経過とともに症状は繰り返していきます。
そして、その悪循環のなか、薬の強さをあげる結果になっていきます。
たしかに、完治することが難しい病気ですが、コンプレックスとして気にするあまり、気持ちの面が症状の加速をまねいているのも事実です。
この病気は、薬での効果をあげるための一番の条件は、心の強さを持つことが大切なことです。
そこに、規則正しい生活、食事面での管理を並行すれば、薬のような即効性はありませんが、リバウンドの少ない効果は期待できます。
時間のかかる病気だからこそ、忍耐強く、強い心を持ち続けてください。